NPO法人エムケイベース代表であるサイトウ愛がお届けするコーナー。題して、「宮城を選んだ人」。
仙台を中心として宮城で出会った「宮城を選んだ人」や「宮城を好きな人」を紹介しながら、宮城の魅力を探訪しています。
久しぶりの記事更新、気が付けば冬の足音が聞こえてくる頃になってしまいました。
「コロナの流行、第8波!」というニュースが連日飛び込んできますね。
心配な方、不安な方も多いとは思いますが、子どもたちの成長は待ったなし。
こういった現象と上手に付き合っていく道をそろそろ突き進んでいいのではないか、と個人的には思っていますが、果たしてどうなっていくのでしょうか。
さて、11回目に登場してくださるのは、札幌出身、3児のママであり、楽しいこと大好きで笑顔がキュートな梨紗さんです。
今年5月に田植えを行い、秋には新米食べよう会を行った「エムケイ田んぼ企画」に、一番に申し込みをしてくださったのが梨紗さんでした。
今年3月、旦那さまの実家がある仙台に一家で移住してきた梨紗さん。
梨紗さんご自身のこと、仙台での暮らしや子育てのことについて話を伺ってきました。
パパと離ればなれになるのは、イヤ。だから、仙台移住は計画的に。
仙台出身の夫とは、札幌で出会って結婚しました。
夫の仕事上、北海道内をよく点々と転勤していました~。早い時は1年で転勤していたこともあったな~。
ゆくゆくは仙台に帰って、夫が家業を継ぐことになるのはわかっていましたが、いつ仙台に行こうかなと考えていて。
3人娘がいるのですが、長女の小学校入学に合わせて仙台に行こうと決めました。
小樽にいながら、土地選び、家にまつわる色々な決め事を行っていたんですよ!
地下鉄へのアクセスがよく、地盤もよく、見晴らしの良いところという条件で土地を見つけるところからスタートしたんです。
お義母さんに代わりに見に行ってもらって、その様子を写真や動画なんかで伝えてもらったりしながら。
そして、購入した後にわかったことだったんだけど、義実家とご縁があった土地に巡り合ってたんです。
それを知った時には、ここに来る運命だったんだな、と鳥肌が立ちました。
どんな家にするかなどはすべて小樽で決めて、小学校や幼稚園への連絡もすべて小樽から。
現地で確認することなく進めることばかりだったけど、満足のいく住まいになりました!
取材した日は、とても晴れていました。
大きな窓から差し込む太陽の光はまぶしくて、暖かくて。
最高の日向ぼっこができるリビングルームは、くつろぎがあり、まるで梨紗さんのような明るい空間でした。
仙台で子どもを産むという環境に、もっと理解があるといい
義実家があるとはいえ、友達がいない状態で子連れ移住した梨紗さん。
仙台の子育て環境に対して、どう感じているのでしょうか。
仙台は情報を取っていくのが難しい都市だな、と思うことが多いですね。あとは…
北海道で保健師をしていたこともあり、職業目線から見ても、仙台は子育てに対して積極的ではないと思うんですよ。
仙台セミオープンシステムにも、疑問を感じていたりして…。
産む側の視点に立って考えられたシステムなんだろうか?とね。
仙台セミオープンシステム、皆さんは知っていますか?
【仙台セミオープンシステムとは?】
「妊婦検診は通院が便利な近所の診療所で、お産は設備が整った分娩施設で」をコンセプトに作られた仙台市独自のシステム。
負担の少ない妊娠期間を過ごすため、待ち時間が比較的短くて診療時間も長い近所の診療所と、診察設備が整っていて安全なお産が望める分娩施設それぞれの特徴を生かしたシステム。
診療所から分娩施設へ紹介する場合とその逆パターンがある。
「共通診察ノート」を利用して、双方の病院での情報共有をする。
梨紗さんが疑問に感じている点は、「子どもを産む」環境の考え方だと言います。
みんながそう思うかはわかりませんが、今まで経過を診てくれていて、安心や信頼のある場所で産みたいと願うのが普通なのではないかな?と思うんです。最後こそ、自分をよく知ってくれている人の元で産みたいと私は思うんですよ。
ここまでの週数が来たら、あとは大きな病院へ行ってね、と言われるわけですよね。
もちろんリスクがある時は仕方ない場合もあるし、その方が安心だという人もいるとは思うのですが…。
このシステムがあるということは、こんな大都市でも産む場所の選択肢が限られているということの現れだと思うんです。産み方の選択肢が限定されてしまうんだな、と感じています。
保健師として、年代問わず多くの方々と接し、様々な課題を目の当たりにし、関わる人々がより良い暮らしを送れるように奔走した梨紗さんならではの視点だと思います。
私は仙台での出産を経験したことがなく、またその予定もないことから、初めて聞いたシステムでした。
1人の女性が産む子どもの数の指標となる「出生率」、宮城県は1.15で3年連続で過去最低を更新し、全国でも東京に次いで2番目に低いニュースは耳に新しいと思います。
一人として同じお産はないですし、限られた資源の中でのシステムとしては仕方ないことかもしれません。
ただ、これから出産を考える人たちが、納得のいく選択肢を選べる宮城(仙台)であってほしいと願うばかりです。
つながりがある、それだけで子育ては楽になる
なんだかマイナスな点から話してしまいましたが…(笑)
仙台は雪が少ないし、穏やかな気候であることが子育てにとってもいいなと感じています!
北海道にいるとね、冬になると”憂鬱”になりやすいんですよ(笑)また雪かきしなきゃ…かいてもかいても降ってくるしね。でも、仙台はそこがない!私が仙台の南側を選んだというのもあるかもしれないですけどね。
他に困りごとがあるとしたら…つながりが作りにくいという点ですね。
私はInstagramで仙台で子育てしている人とつながることも多いのですが、「会う」となるとハードルは高いじゃないですか。
それに、小学校、幼稚園ともにつながるきっかけがない、ですよね。コロナだからということもありますが、集まる機会がないでしょ。幼稚園バスも家の目の前に来てくれるから、バス停でつながるということがなく、近所でのつながりは作りにくいです。
意を決して、娘連れて子育てサークルに参加したこともあったけれど…
その場限りで終わってしまうというか、知り合い程度に終わる感覚ですかね…。
あとは、北海道ではファミサポやベビーシッターもよく利用していたんですけど、仙台では使いにくいという点も課題だなと感じています。供給量が足りないんですよね…。
ただ三女は時々、のびすくの一時預かりを利用しているんですが、そこはすごく気にいっています!
底抜けに明るい梨紗さんでも、困りごとやモヤモヤを抱えながらも日々子育てをしていることを知り、私たちとつながってくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
でも、どうやって私たちにたどり着いてくれたんだろう?と疑問に思ったので聞いてみました。
ママビーは、区役所で転入か何かの手続きをしている時に、区役所の人からフリーペーパーをもらって知ったんです。
早速Instagramをフォローして、田植えをやるというお知らせをみたんですよ。子どもたちに経験させてあげたいなと思っていたことだったので、即申し込み!
結果的に、いい出会いがあって、いい経験ができて、本当によかったと思います!
最後になりますが、旦那さまは仕事で忙しく、日常の子育てのほとんどは梨紗さんが担っているそうですが、そのあたりはどう思っていますか?
夫は困っている時は必ず助けてくれて、休日は思いっきり子育てしてくれて、いい意味で私を信頼して任せてくれているからそれでいいんです!
実にいさぎよい回答ですよね。
梨紗さん家族と関わる機会が増えていく中で強く感じていることは、家族みんな仲良しだということ。そして、信頼し合っているお二人の元ですくすく育つ三人娘の成長が楽しみでしかたないということ。
仙台で子育てする仲間として、同じ時代を生きる女性として、これからもどうぞよろしくね、梨紗さん。