【登壇報告①】R5年度宮城県男女共同参画推進DAY~本音を語る交流会~

今日はコート要らずの穏やかな温かさの仙台です。
雪がほとんど降らなかった今冬の仙台。雪不足で、近くのスキー場が早くも営業終了するというニュースを見ました。
我が家の雪かきも1~2回しかしていないので、「暖冬」を感じています。

さて、話題はかわりますが、ファシリテーターとして呼んでいただいたイベントの報告です。
R5年度宮城県男女共同参画推進DAYの第一部で、株式会社鐘崎の嘉藤明美社長とKaziプロジェクト代表の木村さんと共に「本音を語る交流会」を開催しました。

嘉藤社長のお話はそのどれもが学びだらけだったのですが、はじめに伝えておきます。
私が嘉藤社長から受け取った一番の大切なメッセージは、これです!

「自分の大切にしたいものを閉まっておかず、あきらめず、大切にできる状態でいよう」

このメッセージを裏付ける嘉藤社長のご経験や会社の取り組みなどを紹介していきます。

鐘崎に魅せられて。あっという間の20年

会場にはたくさんの人!

「パートからどうやって社長になったんですか?」

この質問はよく聞かれるという嘉藤社長。2003年にパートとして入社し、とんとん拍子に責任ある役職を任され、2016年に社長に就任しました。

「気づいたら鐘崎に20年もいるんですよね~♪」と朗らかな口調で語る嘉藤社長の人柄は、会場全体の空気を一瞬で優しさで包み込みました。子育て真っ只中だった30代は、息子さんが所属していたリトルリーグの会長として、野球どっぷりの生活を楽しんでいたのだとか…。なんだか親近感のあるエピソードに、参加者の皆さんも和んでいました。

知人がたまたま鐘崎で働いていたことがご縁で働き始めたその当時の仕事は、電話番だったそうですが、
仕事とやりたいことを見つけることが得意という嘉藤社長は、働いているうちに、みるみると鐘崎に魅了されたと言います。

「大好きなワイン作りに似ている部分があるのですが、かまぼこ作りの面白さに引き込まれていきました。職人さんたちのあくなき探究心、明日はもっと美味しいかまぼこを作ろうと真剣に仕事をする姿…その姿勢に鐘崎への想いは深まりました。また、もっと楽しい職場にしたいという想いもありましたね。私はかもぼこ作りに関しては素人だけれど、笹かまの試食を日々重ねていくなかで、ある日、その味の見立てが職人さんたちの見立てと同じになった瞬間もあったりして。ますます惹かれていきました。お客様に近い存在として、商品開発の扉を開けていったんです

あなたの大切にしたいことは、何ですか?

嘉藤社長の話にぐいっと引き込まれています

ピンチから学ぶ、成長につながったストーリーをいくつか話してくださったのですが、その一つは、2011年に起きた東日本大震災でした。この時、ある大きな気づきを得たそうです。

「東日本大震災で、本社工場や沿岸部店舗が被災しました。約3週間ほどで工場を再開し、少ない量ではあったのですが、営業できる店舗で笹かまを販売することができるようになったんです。その時、お客さまからたくさんのありがとうをいただきました。笹かまの再開を泣いて喜んでくれる方もいたんです。鐘崎は、地域の宝であり、地域のために存在していると実感したんですよね。実は、震災が起きる少し前に、昇進の辞令を言われていたのですが、どこかで躊躇している自分がいたんですよ。でも、迷っている場合じゃない、鐘崎の力で地域を元気にしていきたいという想いになった経験です」

3人でトークセッション中!

また、コロナ禍は大きな転機になったと言います。

「鐘崎は、お土産の需要が多くを占めています。人の往来が制限されたあの時期は、本当に辛く苦しい時期でした。でも、こんな時だからできることがあるんじゃないか、と思ったんです。社員によるプロジェクト活動を始め新商品を出したりと、新しい風が吹き込むことにつながっていきました」

魚で女性のなりたいを応援するプロジェクトの一環として誕生したブランド「emitotto(えみとっと)」には、魚と大豆、動物性と植物性のタンパク質をダブルでとれる「シープロテインバー10BAR(テンバ―)」という商品があります。

シープロテインバー10BAR:https://www.kanezaki.co.jp/items/tenbar.html


社員の6割が女性である鐘崎
では、女性やお母さんという立場の視点を活かした商品開発をするだけでなく、働き方の多様性も近年増していると言います。

今、優先すべきことは何か?ということを考えることが大事ですよね。私自身も、育児と親の介護が重なった時を経験しているので、仕事に100%の力を注げなかった時期もありました。いま大切にしたいことは何だろうと自分に問いかけることが大事なんですよね。」

「数年前、パートナーの転勤で東京へ引っ越す女性社員がいたのですが、仕事を続けたいと相談がありました。今、東京には鐘崎の仕事はないけれど、リモートもできるし、仕事を作ってしまえばいいという発想で、その社員には東京にいながら働いてもらっています。すると翌年も同じようなことが起きました!でも、前例を作っていたので、その女性社員も辞めずに働いてくれています。大事にしたいことは、その時その時で変わっていきます。一人ひとり違う大切なことをなかったことにせず、大切にできる状況を会社としても柔軟に作って対応していくことが求められていると思います。」


前編は、ここまで。
嘉藤社長のファンになった参加者の皆さんたち。大きなうなずきと止まらないメモが、その証拠でした!
後編では、グループにわかれて開催したワールドカフェについてお届けします。

どうぞお楽しみに。

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