【宮城・中学受験事情】中学受験にとって2月は、一年のはじまりです

2月1~3日と言えば、首都圏での中学受験が一斉に行われ、一日のうちで午前・午後と試験をはしごするそうです。
そのはしごスケジュールは、まさに戦略的!

私は長崎育ちなのですが、中学受験をするという選択肢を考えたことすらありませんでした。
「地域の小学校、中学校に行く」ということに疑問を感じることはなかったので、長男が5年生になろうとする今、そして中学受験をする子たちを指導するようになって、”中学受験”をキーワードにアンテナを張り巡らせるようになったのです。

学校では4月からが新学年のはじまりですが、塾ではまさにこの2月がはじまりの時。
すでにその道を歩んでいる子たちが、すぐそこにいるんですね。
今月は、数回にわたって”中学受験”を考えるきっかけをお届けしたいと思います。また、宮城の中学受験事情も併せて紹介します!

中学受験に対する、親の納得解を探してみよう

「中学受験って何だろう?」

私は息子の中学受験を考えるにあたり、改めて考えることにしました。それが小学4年生の夏。
今でも明確な答えは見つかっていませんが、納得解にはたどり着いたような気がしています。
結果として、長男は中学受験をするという決断にいたっています。

中学受験は限りなくフェアな世界

私は、中学受験に関する本に様々出会う中で、この言葉にピンときました。
矢野耕平さん著『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)の中に書いてあった言葉です。

大学受験は私たちの時と比にならないくらい入試形態が広がり、一般入試で入学する人は減っているといいます。
令和3年度からは大学入学共通テスト(私たちの世代でいうセンター試験)となったことはご存知の方も多いと思いますが、その試験を受けずとも推薦で入学先を決める子も多いんだそうです。

高校受験の時ももちろん推薦制度もありますし、一般入試もあります。
ただ、高校の一般入試の場合は、合否に”内申点”が大きく響くと言われています。(宮城の場合)
試験当日に最高のパフォーマンスを発揮できたとしても、中学三年間の内申点次第では思わしくない結果につながることもあるのだとか…。

そんな中、中学受験はその要素が限りなく少ないという筆者の考えに、私は共感。”試験当日のパフォーマンス勝負”という一発勝負の世界を経験させるのには、いい機会だと思ったのです。
もちろん中学受験でも、小学校で頑張ってきた過程や各種検定結果を点数化し、当日の試験に加点する学校も多くあります。ただ、私が長男に受けさせたいと考えた学校は、そのような加点要素はなく、当日の試験の結果で判断をします。全国に門戸を開いて受験を行うので、まさにフェアな世界だと感じた学校でした。
その学校の説明会で教頭先生がこう仰っていたことも印象的でした。

「うちの学校は天才や秀才が欲しいわけではありません。試験当日に向かって、努力できる子が欲しいんです。」

当日に自分の力を100%発揮できるかは誰にもわからないし、保証はありません。みんなそのつもりで努力を重ねるけれど、うまくいかない可能性も大いにあります。
それでも、一生の中で一回しかない中学受験の当日に、自分の力を発揮できるように計画し、その日に向かって努力する。

この経験をするのは、結果がどうであれ、長男の人生において大きな財産になるのではないか?と私は考えました。
そして、親である私にとっても、貴重な経験となると考えました。

中学受験に対する子どもの納得解、を導く親の責任

親は子の中学受験の責任の一端を負う必要がある

前述の矢野さんの本にこう書いてありました。
試験を受けること、その試験に向かって日々努力することの主体は子ども自身ですが、特に中学受験においては親の役割は大きいものがあります。

親としてどんな風に接していけばよいかなどについては改めて考えていきたいのですが、親の影響は大きい中学受験といえど、子どもの意志を無視していいわけではありません。

子ども自らが「中学受験したい!」という場合もあるかと思いますし、兄姉の影響で中学受験することが当たり前だと感じる子どももいるでしょう。

でも、そうやって子どもが一人で決断できるのは稀です。
高校、大学受験、就活となれば一人で考えることができる子も増えますが、12歳そこそこで決断まで至るのはなかなか難しいと思います。

親の「受けさせたい」という想いを、子どもの「やってみよう!」にどうつなげていくか。
また、ふわりと決めてきた子どもの「中学受験してみたい」を「やってやる!」につなげていくか。
日々変化するアップダウンの激しい子どもが”納得感”を感じながら、受験に向かっていけるか。

ここは親の腕の見せ所でもあり、子育て期において、醍醐味を味わえるワンシーンになるような気がします。
そして、塾の先生はじめ、経験を積んだ先輩たちに頼るにも最適なタイミング。
一人で考え込まず、外部の力を大いに活用してよいと思います。

今回はここまで(^▽^)/

「12歳の君は、どの道を選んでいく?」を考えるのに、中学受験を考えることはいいきっかけになります。
”決める”という経験の積み重ねが、大人になってから主体的に生きられることへとつながっていくからです。

(文:mamaBEonline!齋藤)

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