幼いうちから英語を学ぶことのメリットとは?Part2
「子どもがまだ小さいうちは英語を学ぶ必要がない」と考える人がいます。それは、英語を学ぶ以前に、母国語を習得することに力を入れるべきという理由からです。しかし、日本政府は学校における英語学習の機会を、より低年齢へと移行しつつあります。では、幼いうちから英語を学ぶことのメリットとはどのようなものなのでしょうか。
最も大きなメリットとして挙げられるのは、“幼児期には容易に言語を習得することができる”という点です。これには様々な理由が考えらますが、私が考える理由は5つ。前回は、そのうちの2つについてお伝えしましたが、今回は残りの3つについてお伝えします。大切なキーワードは、「間違うことは怖くない」「生の英語に触れる大切さ」です。
間違うことへの恐れ、恥ずかしさがない
小さな子どもたちは英語を話すことに抵抗がなく、恥ずかしいと思う気持ちがあまりありません。間違うことを気にしないと言っても良いですし、新しいことに挑戦しようともしてくれます。実際に私のレッスンでも、本当に楽しみながら英語をたくさん話してくれています。
学校というフォーマルな場所や思春期という年代の特有性が重なると、子どもたちは間違うことを恐れ、学びに消極的になることが多々あります。間違うことは、何かを学び成長するための大切なプロセスの一つなのですが…。
特にスピーキングの場面では、そうした気持ちの影響が出やすいですね。単語の発音や、文を読む時の強弱・イントネーションなど、音をしっかり出しながら練習することは、脳・口・舌の働きのいずれにも必要です。小さい子どもたちは、英語教師など他者の模倣をすることを楽しみますし、そうした前向きなフィードバックを通して自信が身についていくのです。
乳児期から発達するリスニング能力
ある科学者たちは、第二言語に触れる機会をもつことは小さな赤ちゃんにさえもメリットがある、と証明しています。まだ話し始める前の赤ちゃんは常にその言語を聴いているだけなのですが、こうしてただ聴いている期間に、どの音が母国語で使われているのかを彼らは自然と聴き分けているのだそうです。生後6ヶ月の日本の赤ちゃんが、英語の“r”と“l”の音の違いを、アメリカの赤ちゃんと同じように聴き分けられたというデータもあります。
しかし、これらの音は彼らの母親や他の日本人は通常の生活では使わないため、4ヶ月後にはその聴き分けの能力が大幅に下がってしまいます。
一方、毎週英語に触れる機会を継続したグループでは、赤ちゃんたちの聴き分けの能力は育っていったそうです。興味深いことに、TVや録音・録画したものでは効果がなく、実際に人と関わりながら英語と触れることが必要だということもわかりました。
柔軟に、多角的に物事をとらえることができる
外国語を学ぶことは、子どもの視野を広げることにもつながります。言語はコミュニケーション手段でもありますが、同時に文化が必ず背景にあるからです。
日本語は日本の文化を映し出していると言うことができますね。例えば敬語は、相手との立場の違いを認識するために大切なものです。また、日本語には、相手を呼ぶ時に使う言い方がたくさんありますが、英語では誰に対しても“you”しか使いません。“I”や“you”などのシンプルな英単語を学ぶ、そんなちょっとした場面においてさえ、子どもたちは英語圏の国々の文化とともに、自分たちの文化についても無意識のうちに学んでいるのです。
英語教師のエピソードやテキストで紹介される様々な国の文化や考え方の違いからも、子どもたちは多くのことを知ることができます。例えば、多くのイギリス人は傘をめったに使わないということや、アメリカの生徒たちは高校で自動車運転教習を受けるのだということを知って、多くの人が驚くことでしょう。これらのことは、自分たちが当たり前と思っている普段の生活を、また違った視点で見ることに役立つという側面もあるのではないでしょうか。頭が柔らかい子どもたちは、大きな違和感なくそうした違いを受け入れることができます。
最後に一つ。
英語力を身につけておくことは、インターネットで世界の様々な出来事や知識にたどり着くチャンスを広げることにもつながります。私たちは、ネットで何でも調べられると思っていますが、日本語で書かれたサイトは全体の5%に過ぎず、世界中のネットの55%が英語で書かれたものなのです。「Googleの翻訳機能を使えばいいじゃないか!」と思うかもしれません。しかし、既に感じている方もいらっしゃると思いますが、日本語のニュアンスを含めた難しい言い回しをコンピューターが正しく表現することは、まだまだ難しいのが現状です。本当の英語力があれば、英語のままで世界中の様々な知識を理解することができるのです。
幼少期は語学の吸収力が高いため、将来のより良い学びの土台を築きやすい時期と言えます。そして日本人にとって高い英語力を身につけておくことは、より満たされた人生となる機会を生み出す一つの方法となり得るのです。
(文:Steve Beacall/和訳:Beacall 陽子)
Part①はコチラ↓
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いかがでしたか?
スティーブ先生のお話は、子どもの「英語教育」について一度立ち止まって考えるきっかけになりました。英語教育は、これからの子どもたちに必要な「視野を広げる力」を養うことにも繋がりますね。活きた英語に楽しく触れる時間、ぜひ教室で体感してみてくださいね。(mamaBEonline!編集部)
Hope Springs 英会話スクール代表 Steve Beacall
日本で20年以上に渡り英会話講師を務める。キッズからシニアまで、一人ひとりの希望に合わせた柔軟な指導と穏やかな人柄が好評。2020年、泉中央に新しいスクールをオープン。
HP : hope-springs.jp