前回お伝えした前編では、田植えの前準備としての畦(あぜ)塗り、田んぼに水がひかれる時期を紹介しました。
前編はこちら:【エムケイ田んぼまであと4日】お米をいただく道のり~前編~
私たちがお米を食卓でおいしく食べるまでに、どんな道のりがあるのでしょうか?
すべての工程ではありませんが、続きを簡単に紹介していきましょう!
田植え当日、どうか雨がふりませんように…
代搔き(しろかき)という作業を行います。田んぼの土をくだいて土の性質をよくすることを指し、田植えの前にトラクターや耕運機を使って行います。2回、この作業を行うそうです。
次に、田植えの4~5日前に除草剤を散布します。
(自然農法を行っている場合などは違います)
そして、満を持して田植えを行うのですが、今回は私たちの要望に応えてくださり、手植えをします。
機械でやるとスピーディーに作業が終わるところを、私たちのために手植えスペースを設けてくださるということで、家族で有難い経験となること間違いなしです。
参加者の大人の中でも「田植えはじめて」という方も多く、どんな体験になるのか楽しみです。
長年の経験で水を管理していく
こうして田植えが終わると一段落になるのですが、水の管理やあぜ道の整備(草刈り)は続きます。
寒さから稲を守るために、水の量を調節したりするそうです。水を使って苗を保温することで根の発育や肥料の吸収力を保ちます。また、深水にすることにより、雑草の発生も抑えることができます。
7月はじめ頃には、溝切りという作業があります。
溝切りとは、田んぼに溝を切り、排水口に繋げておく作業のことです。
溝を切っておくと、スムーズに排水が行るそうです。
さらに7月半ばには、田んぼを飽水状態にします。
飽水状態とは、地表には水がないものの土には充分に水が含まれている状態をさし、ようかんのような感触となり、踏むと少し足跡が残る程度だと言います。
飽水状態になると、根に酸素が供給され、根腐れ防止になったり、伸長を促進したりします。また、土中の有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)を抜くことができるそうです。
「水の管理」の大変さと大切さが伝わってきますね。
害虫に害鳥、暑い夏の季節の管理はさらに厳しさを増す
ぐんぐん稲が成長してくると、直面するのは害虫問題。
協力してくださる農家さんが教えてくれたのは、「カメムシ駆除」。
カメムシは、稲の葉や茎から汁を吸い、カメムシにやられた部分からはもう穂は出てこないそうです。
さらに、一番の怖いのが「いもち病」。
いもち病菌という糸状菌の寄生によって発病します。
胞子によって空気感染するいもち病は、被害も大きくなりやすいため、早期発見が何よりも大事で、細心の注意が必要なのだそうです。
水の管理、雑草管理、それに害虫管理まで加わる米作り…。
そして、収穫したあとも、食べるまでの工程はまだまだあるんですよ!
ひと粒残さず、食べたくなります
9月半ば頃に収穫作業を行うと、乾燥作業へと入ります。
(昔からすずめは米を食べる害鳥として知られていて、人間とのいたちごっこが続いているそうです)
乾燥が終わったら、籾(もみ)すりへ。
籾すりは、籾から籾殻(もみがら)を取り除いて玄米にする作業を指します。
それから、袋詰めをして、ようやく出荷作業となります。
精米された米を買うだけではわからない工程を教えていただき、改めて食卓のごはんを見ると、感謝の気持ちが自然と湧いてきます。
すべての工程を体験することはできませんが、農家さんのサポートのもと、親子一緒に貴重な体験を複数回にわたってできることに感謝でいっぱいですね。
天気は不安定で心配ですが…地域の方や多くの家族と共に体験を通して知る「食べることの尊さ」を味わいたいと願っています。
どうかどうか雨が降りませんように…今日もてるてる坊主に願いを込めます。